本日の外交防衛委員会で質問に立った。

 

まず、
「陸海空自が保有する小銃の口径差」について質問した。

陸自と海自は20式小銃および89式小銃(5.56mm口径)を保有しているが、
空自は64式小銃(7.62mm口径)しか保有していない。
これでは、統合運用や兵站におけるマイナス点となる。

また、20式小銃の製造会社は1社のみで年間調達数が限られることから、
よほど留意して小銃口径の統一を速やかに進めるべき旨を防衛大臣に申し上げた。

 

次に、
以前から質問している「自衛隊の人的基盤の充実」
について質問をした。

 

自衛隊の新隊員募集難は、
もはや有事というべき危機的状況にある。

令和元年度の新入隊員数約14,000人に対し、
令和4年度のそれは約10,000人。
現在集計中の令和5年度では8,000人台半ばになる見込みだという。

また、40年近く前、
佐藤が中隊長をしていたころの新入隊員は師団全体で約300人ほどいたが、
昨年の某師団では約30人だったという。
いずれも愕然とするしかない数字である。

そして、
佐藤のもとに届いた海自の新入隊員からの手紙を紹介したが、
そこには厳しい勤務環境と生活環境が連綿とつづられていた。
自衛官候補生の初任給は157,100円。
それで外出は土日のみに制限され、規則に縛られる団体生活、
営内生活を厳しい環境下で送らなければならないのであれば、
高校新卒の有効求人倍率3.52倍のご時世で自衛隊を選択肢に選ぶ若者は、
極めて少数派にならざるを得ない。

 

給与体系も問題である。

自衛官の給与は基本給に21.5時間分の残業代を加えたものとなっているが、
これは昭和43年(1968年)に決められたもので、
それから一度も見直されていない。

その間、自衛隊に課される任務は増え、
残業に相当する時間は21.5時間では到底収まらなくなっている。

また、
海外へ派遣される軍事教育機関への留学生や外国軍との連絡員は、
防衛駐在官とは異なり長期出張の扱いとなるため、
現地での必要経費に給与が全く追いつかない。

実際に佐藤が米軍の指揮幕僚大学に留学した際は、
渡航前に約500万円を借り入れて現地での必要経費に充てた次第である。
この様に勤務実態にそぐわない給与体系の早急な見直しは、
現役隊員の離職を防ぎ、新隊員募集の面でも状況の改善に資するであろう。

 

新入隊員と並んで確保に悩んでいるのが研究職の技官である。
ある防衛関連企業が初年度2,000万円の年棒を示して技術職のエキスパートを募集したが、
1人の応募も無かったというのは昨今話題になった。

このような状況下、
防衛省における28歳の研究職技官(博士課程修了)の初任給は281,400円。
これで民間企業との人材争奪競争に勝てというのが無理な話であって、
大胆な施策(事務次官級の給与を支給できる現行制度の活用など)の実行が必要である。

 

以上の他、
1日1,000円に満たない糧食費の引き上げや、
予備自衛官の充足率上昇(とくに若手隊員)についても防衛大臣に質問した。

 

自衛隊の人的基盤に関する問題は喫緊の重要課題である。
防衛大臣には先頭に立って事態の改善を強力に推し進めていただくよう要望した。
今後の政府の動きを、絶え間なく注視していきたい。