1日夜一斉に報道された本庶佑先生のノーベル賞受賞は本当に素晴らしいニュースだった。

免疫チェックポイント阻害剤、つまり「オプジーボ」の話はもう何年も前から話題になっていたわけで、僕なんか

えっ 今頃?

と驚くほどだ。

で、報道ステーションを見ていて

「あれ?」

と疑問を持った場面があった。

価格というコーナーに

「当初   73万円」

「現在    17万円」

とあった。

これには「えっ?そんな安かった かな?」

という素朴な疑問が湧いた。

これはがんの治療のことを知る人間にとっては「オプジーボはめちゃくちゃ高い!高額である」というのは常識だからである。

発売当初は3500万円とされ、このままだと、医療保険のシステムが壊れてしまう、とまで言われた。

その後2017年2月に薬価の改正で半額まで引き下げられ、この11月からは当初価格の4分の1になる。

それでも875万円である。

それを75万円とか17万円とか、報道ステーションは何を血迷ったか?

そう思うのは誰しも当たり前だろう。

実はこれには単位の違いがあってちゃんと説明しないと混乱の原因になるのだ。

一般に言われているオプジーボの価格は実際に治療に要する年間の価格が3500万円というものだ。

これに対して報道ステーションの

「73万円」

は100ミリグラムの価格らしい。

100ミリグラムでは治療は出来ず、これを表示するのは視聴者の誤解を招く。

「ああ、その位ならなんとかなるかな?」

と思う人がいてもおかしくない。

それは現実と合っていなくて誤解がそのまま一般に信じられてしまう恐れがある。

オプジーボ治療は100ミリグラムで終わるような簡単なものではない。

要するにオプジーボは高額な薬品なのだ。

日本には高額療養費という便利な制度があるので実際にはもう少しやすくなるだろう。だが、報道ステーションのあの表示「価格73万円」
は視聴者に大きな誤解を与えたと思う。

実際にはオプジーボは高額な治療法であると、今夜の放送できちんと訂正した方がいい。

これは私が抱いた素朴な疑問である。