無事退院出来たから公開します。

これは私が入院から手術までの記録です。

同じ手術を受ける人が読んでも何の役にも立たないけど私の覚えてること全部まとめました。


明日は手術。

この脚とも今日で最後。

最後だから撮っといた。手術する脚だよってマークがもうついてる。

ここまでもってくれてありがとう。


麻酔をする為飲食の制限があったからギリギリまでごはんを食べて水分を取った。

前回の手術の時術後すごく喉が渇いていたので特に水分を意識して摂った。

これは点滴の代わりに。

点滴をつけっぱなしにするのはすごいストレスだからね、ちょっとでもストレスを減らすためにこのドリンクに最近してるみたい。

もう飲みたくないな。


消灯は21時。

全然眠れなかった。

先生は何度も丁寧に今回の手術内容を教えてくれた。

けど、よくわからなかった。

骨を切ってるひっくり返す??

想像出来ないものを考えてもわからないから考えるのを放棄してずっと病室の天井を見てた。

私は寝っ転がってるだけだし、先生が今夜はちゃんと寝れますようにと願った。

全然見慣れない天井に自分がどこにいるかわからなくなった。



手術当日。

病室から手術室まで歩いて行く。

数時間後には今みたく歩けないんだよなぁと思った。

手術室がいくつかある。

私以外にも何人か手術を受ける人が待っていた。

手術ってそんなにたくさん行われてるのかと不思議な気持ちになった。

私にとっては非日常だけど先生達にとっては日常なんだよなと、思うと不安がちょっと晴れた。


そして名前が呼ばれた。

名前、生年月日と手術する場所を何度も確認された。

自分の脚で手術台に寝っ転がる。

今回全身麻酔と局部麻酔選べたので前回の手術で全身麻酔で目覚めた時に喉が痛くて気持ち悪かったのを覚えていたのと眠らされるってのが怖かったので局部麻酔にした。


横向きに寝っ転がって背中を丸める。

担当看護師さん?に背中の注射が今日1番痛いよっていわれた。

そして私の心拍数の音が上がった。

麻酔の先生に

心拍数あがった!怖がらせちゃダメ!鈴木さん素直だなと笑われた。

これを乗り越えられたら大丈夫だよって意味で看護師さんは言ってくれたけど心拍数で笑いあえるなんてこれが医者ジョークなのかな。

そんな呑気な会話をしながら背中から麻酔を刺される。

プロレスの試合方が痛いでしょ?って言われたけど

プロレスも何が起こるかわからないけど、手術はさらに想像出来ないからこっちの方が怖いよ!それにどっちも痛いよ!って言った。

担当してくれた麻酔の先生はドラマに出てきそうな影のあるダンディーな声の先生だった。


眠くて恐怖とかここからどうなるかなどはあまり考えられなくって寝不足手術作戦大正解と思った。

どんどん脚の感覚が失われていく。

触られてることはわかるけど冷たいかどうかわからなくなる。

それが麻酔が効いた証のようで、担当の先生達が私の周りに集まった。


担当の先生が優しく声をかけてくれた。

「頑張ろうね」って。

「頑張ったね」って言葉で私に手術を決意させて、「頑張ろうね」って言って手術を始めるなんて先生めっちゃガンプロじゃん、って思ってニヤニヤした。


そして一気に手術が始まった。

みんなに一斉に持たれて手術本番用の台に仰向けに寝かされる。

私からは見えないようにタオルのカーテンがかけられて見えないけどその裏ですごい勢いでみんなが動いているのがわかった。

こんなにちゃんとした大人達が動きまくってる中、下半身丸裸で寝っ転がってるだけですみませんね〜って思ってたし、実際に口にしていた。


そして手術が始まっていく。

先生達が話してるのが全部聞こえる。

テキパキ動いている。

私はマスクをつけている鼻のところが痒くなりぽりぽりしていた。

下半身は動かないのに鼻が痒くなって自分でかいてるなんて不思議だなぁと。

けど、どんどんどこにいるかわからなくなって意識が遠くなっていった。


「鈴木さん!鈴木さん!」って物凄い呼ばれた。

まなせかゆうなで呼ばれることが多いから鈴木と呼ばれても自分ってあまり思わないんだよな〜って思った。

気がついたらよくわからない天井。

あ、手術中だったかも。とぼんやりしていた。

どうやら記憶をぶち飛ばしていたらしい。

失神ってやつだね。

痛みは麻酔が効いてるからないと思うけど恐怖からなのか精神的に意外と来てたのかふわふわしていた。


麻酔の先生に改めて「眠るかい?」って改めていわれたけど「眠らされるのがよくわからないから怖いよ」って言った。

先生がそうだよね〜っていってふわふわする麻酔をしてくれた。

あれが何なのかはよくわからない。


頭がフラフラする。

前日手術中恐怖から逃げる為に、ちゃんと考えられない方がいいかなと寝不足で手術に挑んだ事を後悔した。

恐怖に立ち向かうのではなく私は逃げたいたのだ。

この膝の痛みや違和感から解放されるのなら、もっとやりたいことをやれる膝になる為に手術を受けたいってずっと思ってたけどその代償を考えられていなかったのかもしれない。 

自分がこの手術に挑む覚悟が足りなかったのかなと反省した。


こんな状況で呑気に寝れるわけない。

いろんな考えがぐるぐる頭の中でまわる。

そして改めて戦いに挑むには睡眠大事だなと実感した。


最初手術の時間は移動や準備含めて全部で3時間内、手術時間は2時間もしないと言われていたのに体感2時間過ぎていた。

時計なんて見られないからわからないけど何か予想外の出来事が起きてるな。と。


とか思ったら猛烈な吐き気に襲われた。

私の記憶が正しければ2回気持ち悪くなった。

ちゃんと絶食してたから何も出なかったけど嗚咽が止まらなかった。

なんか謎の黄色い液体みたいなのが出たような気がしたけど涙もすごくてよく見えなかった。

けど担当の看護師のお姉さんが優しく拭き取ってくれて「大丈夫だよ」って言ってくれた。


この気持ち悪さで一気に手術してるんだということが現実になって怖くなった。

看護師のお姉さんに「手を繋いでほしいよ」って言って手を握ってもらってトントンしてもらった。

とても安心した。

私も不安に思っている子がいたら手を握ってトントンしてあげられる自分でいようと思った。


自分の膝の方から

ガコーンガコーンと物凄い音がなっている。

今回骨を切る手術だからその音かなと思ったけどそれ以上に先生達が討論してる声が聞こえた。

詳しい内容は頭がぽやぽやになってるのでわからなかったけど私の膝を実際みて先生たちがより良い選択しようとしてくれてるのはわかった。


決められたことをただやるだけではなく、臨機応変にそして手術真っ最中により良いものを選択しようと話し合ってくれている。

いや、私の感覚だと言い争いみたいな感じだった。


こんなに立派な先生達が私の膝のことをこんなにも考えてくれてありがとうって思った。

私は無宗教だけど神と先生に手を合わせて拝みたくなった。

神と先生だけじゃなく、送り出してくれた仲間や心配かけた家族、地球にも感謝した。

でも怖いって言って手を握ってもらってたから手を合わせて拝むことは出来なかった。


麻酔と寝不足でふわふわした中担当してくれた先生が

「無事終わったよ」と声をかけてくれた。

手術内容を話してくれたけど今回も理解出来なくてとにかく終わって良かった。そして時間きっとかかってるから待ってる家族は心配してるよなと思った。


そして麻酔の先生が紫色の色がついた丸眼鏡で長髪パーマの謎の外国人に代わっていた。

あれ?影のあるダンディー先生だった気がしたけどあの人は幻だったのかな。


そんなかんじで結構色々覚えている中膝の手術を終えた。